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2012年11月29日(木) 
現・シャネル日本法人社長のリシャール・コラスさんという方が、30数年前の学生時代に瀬戸田を訪れ、そのときの体験をもとに2006年11月、自伝的小説『遙かなる航跡』を出版、ある芸能人がブログで紹介してから一時期ベストセラーになっていました。
私も読み終え、ブログやフェイスブックでも紹介したところ、たくさんのアクセスをいただきました。
そして、昨年11月には、集英社から文庫本としても刊行されました。

以下、当初読んだときの感想をブログにアップしたものを転載しますので、興味のある方はぜひご一読くださいね~(*^_^*)
ちなみに、ハードカバー¥1890 → 文庫本¥880と大変お求めやすくなっていますよ~(笑)

フェイスブックで紹介したところ、読んでくださったFB友達は、エンディングで泣いたそうです。
もちろん私も、最初読んだときは泣きました。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 同書が尾道市立瀬戸田図書館でも借りられることを教えてもらい、インターネットで予約、先日手にして、ようやく読み終わりました。
 1972年と現代を交差する時間軸を行き交いながら物語は進んでいき、コラス氏自身が趣味とする写真を彷彿とさせるファインダー越しの構図を眺めるかのような風景描写と時折現れる赤裸々な性表現とが何とも印象的でした。
 そして、物語の奥に込められた古き良き瀬戸田への追憶の調べが心にしみ入りました。
 物語の舞台となった1972年当時とは、確かに瀬戸田は(いや瀬戸田だけでなく日本全体が)大きく変わったでしょう。そんな瀬戸田(日本)への想いの一端をコラス氏はとあるインタビューで述べています。
 しかし他方、変わってないところもたくさんあります。幸いなことに僕は瀬戸田に住んでいるので、他の読者以上にコラス氏が描いた1972年当時のそして物語のエンディングに描かれた現在の瀬戸田をリアルに追体験できます。
 そこでとても不思議なのは、これまでとてもありふれて日常の一部と化していた瀬戸田の様々な風景が、『遙かなる航跡』を読みながら思い起こすうちにとても美しく尊く慈しみ深いものに思えてきたことです。
 私のフェイスブックページのカバー写真にも使用していて、かつてブログで「原風景」と表現した潮音山山頂からの眺めを、コラス氏も「この風景は三十五年間変わらぬままに思えた」と表現していました。
 『遙かなる航跡』が本当に映画化されるのかどうか定かではありませんが、もし映画化されるのであれば、コラス氏を魅了したこの美しい島を映画という形で記録し、その美しさを永遠に閉じ込めてほしい、そして多くの人を魅了してもらいたいと思わずにはいられません。尾道市が映画を通じてとても美しい街に描かれ続けているように・・・
 そして、たとえ映画化されることがなくても、この本の読者が一人でも多く瀬戸田の地を踏んで、それぞれの人生の「遙かなる航跡」に思いを重ねるひとときを過ごしてもらえればと思います。
amazon.co.jpのレビューから、一読者の読後の感想を引用させていただきますね。
『この小説を読んで、舞台となっている瀬戸内の島にどうしても行きたくなって先日旅してきました。穏やかな瀬戸の海が太陽に照らされてきらきらと輝く様子は本当に美しかった!そして読んでいる時に心に浮かんできた風景が本当にそのままの姿だったことに驚きました。自然の美しさ、愛の美しさ、それぞれの描写が素晴らしい。そして時には美しい死というものもあり得るのかもしれないと考えさせられた心に残る一冊です。』

閲覧数25,180 カテゴリクチコミ情報 コメント2 投稿日時2012/11/29 10:32
公開範囲外部公開
コメント(2)
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  • 2012/11/29 13:34
    自伝小説ですか
    見たものを、ちゃんと伝えられる能力ってすごいですね
    さっき啓文社さんに行ったのになあ
    次項有
  • 2012/11/29 14:13
    > ももたろうさん
    見たところ半分はフィクションっぽいので、自伝的小説というのが正解かと思います。
    超多忙な企業のトップの作品なので、プロの作品のような読みごたえを期待すると肩すかしをくらうかもしれませんか、外国人から見た日本の美という点では逆にうまく描けていると思います。
    翻訳も読みやすく、自然な感じです。
    (そう、原著はフランス語で書かれ、本国でも出版されているみたいです)
    下記のリンクもご参照ください。
    http://doraku.asahi.com/kiwameru/camera/070709.html
    日本人はどうして風景を醜くするのが得意なのか、不思議です。
    というコラスさんの一言が、ずっしり心に響きます
    次項有
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