ウチの営業部長は頼れる男です。
先日,還暦を迎えたのですが,まだまだ現役で,なんでもやってのけます。
今日も,ウチの5台積みキャリアカーに乗って,車を引き取りに行ってくれていました。
夏の暑い日差しの中,
その事故は起きました。
突然,対向車が車線を越えて,部長が運転するトラックの正面に現れました。
カーブでもない,普通の直線です。
居眠りだったそうです。
ウチの部長は10トン近くの大型トラック。
対向車は軽自動車。しかも古い箱バンで,老夫婦が乗っていました。
正面衝突すれば,相手は100%即死です。
ウチの部長は,
なんと,正面衝突するくらいなら,ガードレールを破り,左側の谷に落ちることを選択しました。
部長曰く「高さがあったけど,下が田んぼだったから,頭さえ打たなかったら,転がり落ちていっても,大丈夫だと思った。」
相手の軽自動車はノーブレーキで,ウチのトラックに突っ込んできました。
結果,オフセット衝突のカタチになり,下の写真のようなことになってしまいました。
ベローン。スプラッターーー
運転席が無くなっていました。
運転手だった奥さんは,変形した運転席に挟まれ出られなくなっていました。
レスキュー隊が到着して,救出されたものの,その奥さんは,
意識はハッキリしていました。ホッ。
まあ,命に別状がなかったので,今回,日記に上げることにしたのですが。
しかし。重傷を負っておられました。
各部骨折,肺に穴が開いていたり。
イツデモ落チレルゼ~~
チョット生ナマシイカナ。ヘッドライトラシキ破片デス
底ハマダ深イゼ~~
ウチの部長は,本当に頼もしいです。
心からそう思いました。
現場検証で,警察からも言われていました。
「事故回避のタメに,できるだけの全てを尽くしたようですね。現場を見ればわかります。」
「それにしても,ここまで回避行動を取る運転手はいません」 と。
無論,この事故は軽自動車に衝突した衝撃で,トラックが谷に落ちかけたのではありません。
トラックは軽自動車くらいではビクともしませんから。
自らすすんで落ちたのです。
インパクトの瞬間,「相手を殺すくらいなら,自分が犠牲になりたい」とゆう意思が,カラダを勝手に動かしたのでしょうか。
根っからの善人だと思いました。
おかげで,相手の老夫婦は一命を取り留めることができました。
ワタシは,部長を叱りましたが,内心では,部長のような人柄になりたい。とも思いました。
事故処理の後,BBQの約束があったのですが,
行ってきまして,食べました。美味しかったです。
生きていると,いろいろなことが起こります。