大変動の時代 鉄道認可から多くの歳月を費やして1925年に開業にこぎつけた尾道鉄道だが工事期間中、日本そして世界は大変動の時代の最中にあった。 1910年 日韓併合 1913年 東北北海道大凶作 1914年 第一次世界大戦 1919年 ベルサイユ講和条約 1925年 治安維持法 ○尾道鉄道開業 ○久山田に水源地完成 1929年 世界恐慌 1931年 満州事変 1933年 国際連盟脱退 二つの大戦と世界恐慌のはざ間で尾道鉄道が産声をあげたことがわかる。 尾道鉄道開業の年、尾道にはもうひとつのビッグイベントがあった。年表にもあるように、山口玄洞翁の尽力による久山田水源地(上水道)の完成である。暗い世相のなかで、この年、尾道だけは大きな喜びと希望に沸いていたのではなかろうか。 民間主導による社会資本の充実。鉄道と水道事業に当時の尾道商人の気概を感じる。 写真提供:前田六二氏 |