ほんの小さな嫉妬や感情が
大きな負のパワーへと発展していくもの。
広島県で生を受けたボクは、 これまで全国どこへ住んでいても、 この8月6日だけは 決して忘れることがなかった。 去年、久し振りに 家族を連れて 広島の原爆資料館に行った時、 その馬鹿げた変容に ボクは愕然とした。 そんな スライドや模型やCGなんて いらないだろう。 そんな綺麗ごとや 理屈で片付くような 軽々しい問題じゃないはずだ。 もっと、醜い 本当にボクたち人間が 本当に愚かだという証拠 (つまり、溶けた瓦やビン、 焦げた服や、残った人影など)だけが 真実を伝えるはずだ。 飾りなんかいらない。 そんな誤魔化しなんか しちゃあ駄目だ。 人間の本当の残酷さと 深い悲しみだけを ボクたちは、粛々と 伝えていかなければならないと思う。 去年、資料館行った時、 被爆者の方々の描いた絵が 展示されていて、 それを一枚一枚観ながら、 その一枚一枚の解説を読みながら、 人目もはばからず、 ボクは、肩を震わせながら、 いつまでも、 いつまでも泣いた。 |