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2014年11月10日(月) 

そこは,とあるジュースの自動販売機の中。

10円玉のじゅうべえと,100円玉のぎんじろうが話をしてました。



「なあ,ぎんちゃん。」

『どうしたの?じゅうくん。』




「ボク,どうして10円玉に生まれてきたんだろう?」

『どういう意味だい?』


「だってどうせ硬貨に生まれてくるなら,10万円金貨みたいなきれいな硬貨になりたかったな。」

『どうして?』


「人々にありがたがられるじゃない。」

『う~ん。どうかなあ。』


「少なくとも10円よりは価値があると思うよ。」

『たしかに金額的な価値はそうかもしれないけど,オレは嫌だなあ。』


「どうして?」

『だってあんな硬貨になったら,どこにも行かれなくなるよ。どこかの家の額に入れられてさ。反永久的にずっと同じ風景を見るだけだよ。』


「あ・・・そうか。そうだね。」

『キミは昨日ここに来たけど,ここに来る前はどこにいたの?』


「サラリーマン風の人の財布の中にいたよ。3日間くらいかな。」

『その前は?』


「コンビニのお弁当のお釣りとしてサラリーマンの財布に入ってたから,コンビニかな。」
「でもコンビニにいたのは5時間くらいだよ。」


『じゃあさ,この一週間でキミが見たり聞いたりしたことを聞かせておくれよ。』

「ん~とねえ。ん~。」
「そういえば,コンビニのアルバイトの女の子は,同じアルバイトの男の子と密かに付き合ってたみたい。」

『ふふふ。』


「サラリーマンの人なんて,プロポーズしてたけどフラれてたよ。」


『面白いなあ。』


「そう言われれば,この1年でいろんなところに行ったなあ。」

 

『そうだろうね。』

『ところでキミは何歳だい?』

 


「平成三年って書いてるから,23歳!」

「もうずいぶん古くなったよ。。もうそろそろボクはダメになるのかなあ。」


『古くなった?古くなったからってなんだい?』

「だって世の中のモノは古くなると価値が下がるでしょ。だんだん使えなくなるし。」


『あのねじゅうべえ。まずはコレを見てごらん。』


『左から,平成20年,19年,16年』


『そして,平成8年,平成元年,昭和49年だ。』


「やっぱり新しい硬貨は輝きが違うね。」


『輝きが違うからって,それがなんだい?』

『たしかに,世の中のモノは古いモノほど価値が下がる。これは同じお金でも紙幣などはそうかもしれない。』


『だけど,世の中でオレたち硬貨だけは永久に価値が下がらないものなんだ。』

『中でもオレたち10円・100円ってのは本当にいろんなところに連れて行かれて,たくさんの経験ができるんだよ。』


「あ・・・・」


『いくら使われても価値が下がらない。だったら,いろんな経験ができるだけオレたちは幸せ者じゃないか。』

「そうだね。ぎんちゃん。ありがとう。なんだか楽しくなってきたよ。」


『さあ,そろそろ自動販売機から回収される時期になるから,当分は一緒に行動しような。』

「どうやって?」

『それは,じゅうちゃん。誰かのサイフに一緒に入ったら,なるべく近くにいるようにすればいいんだよ。』


「なるほど~」



『もしかしたら,お別れの時が来るかもしれないけど,』


『「きっとまたどこかで会えるね。」』


「そうだね。その時までにいろんな経験をして,たくさん思い出話ができるように憶えておくことにするよ。」



『おっ。来たぞ。回収員だ。」


閲覧数5,889 カテゴリみどりパパな考え コメント4 投稿日時2014/11/10 21:58
公開範囲外部公開
コメント(4)
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  • 2014/11/10 22:02
    童話で本にしたいものですね
    次項有
  • 2014/11/11 16:36
    ステキ‼︎
    私も金貨より、十円玉がいいな(^_^)
    次項有
  • 2014/11/18 17:37
    玄○漁労長さん
    こんばんは!パパ!?ねぇパパのサイトなの???wさっきフと、みどりパパで検索したらあるも~んwwびっくりしたよ^^
    次項有
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