わたくしの音楽教室に通ってくださっている生徒さんと、ライブについて話をしたときのこと。 「ライブに行ったことないんです。行ってみたいけど、敷居が高いというか、よくわからない空間なので足が退けてしまいます。」 演奏者としてライブに参加することのほうが多いわたくしとしては、これは全く考えてもいなかったことである。 「それならわたくしのライブに来てみるがいいあるよ!」 現在開催している「好き勝手にやるけぇ」の原型ともいえるわたくしのソロライブ。 会場は、先日マスターが亡くなられた喫茶ANDY。 初めてライブを聴きに来る生徒さんをわたくしは店の入り口で迎え、席へと案内した。 ライブが始まり、わたくしは苦手なトークで顔が硬直し片言の言語で支離滅裂な話を展開する。 静寂の中、カウンターの向こうで「ハハハッ」と笑うマスターの笑い声につられてお客さんも笑い始める。 とうとう意味不明なわたくしの話ではあるが、会場は非常に和やかな雰囲気へと変わっていくのである。 人生初のライブに来て下さった生徒さんは心から喜んでくれ、以来時間があれば毎回のようにわたくしのライブに来て下さるのである。 サウンドトレジャーお店ライブ「好き勝手にやるけぇ」は、音楽を聴いてもらおうなどという気は一切ないのである。 広島県の海に浮かぶ向島という小さな島で、日常を忘れて少しの間楽しい時間を過ごして頂けたらそれで良いのである。 演奏者が個々の演奏を楽しみ、そこへ同席したお客様もまたそれぞれに楽しむ。それができたなら満足である。 わたくしは宇宙と通信し、暇さえあれば唐揚げのことを考えている。 「演奏はあまり聴かなくて良いです。雑談でもしながら、たまにいい音が聞こえたならその時は少しだけ演奏を聴いてみてください。とにかく楽しくやりましょう。」 わたくしが毎回のライブで言う言葉である。 【サックスとfujiborn】 ソラソシソドソシソラを繰り返す練習。これが結構難しい。 音楽と宇宙と あなたをつなぐ サウンドトレジャー |