頭が良いことはなにかと効率的に考えたり理論的に考えたりすることができて、物事に対して恐らく時間短縮が可能である。 しかしながら、芸術の世界に於いてはこの考えるという能力が邪魔になることもある。 例えば音楽で言うと、ミスチルやバンプオブチキンの編曲を手掛ける小林たけし氏。 彼のアレンジにはF-Fm-CとかF-Dm-Gsus4-Gといったコード進行が頻出するのだが、こういった曲を聴く際に「サブドミナントからドミナントへ行かずにサブドミナントマイナーへいってトニックだな」とか「サブドミナントからサブドミナントの代理コードへいってそこからドミナントのサスペンデド、でドミナントでトニック」なんてことを考えながら聴く人は殆どいないだろう。 曲をただ聴いて、その曲を良いか悪いか決めるのは思考ではなく感性である。 これは楽器の練習においても言えることなのである。 どうすれば良い音が出るか、と考えるのはまず練習すべき内容を反復した上で考えることであって、どうすれば上手く音を出せるかということを練習の初期段階から考える人というのは上達が遅れがちである。 頭が先行した練習。 子どものほうが上達が早く、大人は上達が遅れがちなことがしばしばあるのはこれを要因としているのだ。 そこでわたくしはアホスタイルの練習をオススメしたい。 まずはアホのように練習をするのである。何も考えずに楽譜を見てひたすらそれを反復する。間違えてしまいがちな部分はピックアップし、その部分だけを更に繰り返す。 時間がかかるしなかなか面倒なのである。しかしこの練習方法が結果的に、実は時間短縮なのである。 年を重ねる毎に感じることよりも考えることのほうが先行していくというのは、大人として生きていく上で重要なのかもしれない。 しかし、岡本太郎氏が生前「子どもは天才芸術家である」という言葉を残しているように、感性を活用するというのは芸術に於いて頗る重要なことなのである。 【サックスとfujiborn】 最低音B♭から最高音F#までをクロマチックで上昇・下降できるようにしましょう。 音楽と宇宙と あなたをつなぐ サウンドトレジャー |