「光輝くんよ」 勘一が優しい声で呼びます。 「はい」 「お母さんやお父さんが居なくて淋しいだろう」 光輝くん、ちょっと迷いながら頷きます。 「でもよ、ちゃんと我慢してたんだろ? いじめられてもよ、自分が我慢すればいいって思ってたんじゃねぇか?」 また少し頷きます。 「いいぞ。それでいいんだ」 あら、いいんですか? 光輝くんも不思議そうな顔をします」 「淋しいってよ、わんわん喚いたり暴れたりするのも、まぁ子供らしくていいけどよ。男の子はよ、やせ我慢ってものをしなきゃならねぇんだ。どんなに淋しくてもよ、辛くてもよ、自分一人で頑張るんだっていうやせ我慢ってやつをよ、おぼえなきゃあならねぇんだよ」 (本書P240-P241)
『シー・ラブズ・ユー(東京バンドワゴン)』(小路幸也・著/集英社文庫)を読みました。
裏表紙の紹介文を引きます。
東京、下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」。営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。伝説ロッカー我南人60歳を筆頭にひと癖もふた癖もある堀田家の面々は、ご近所さんとともに、またまた、なぞの事件に巻き込まれる。赤ちゃん置き去り騒動、自分で売った本を1冊ずつ買い戻すおじさん、幽霊を見る小学生などなど…。さて、今回も「万事解決」となるか?ホームドラマ小説の決定版、第2弾。
あぁ・・・ついに、藍子さんが・・・。私も東京バンドワゴンに足しげく通い、<かふぇ あさん>で憩い、藍子さんと会話するうちにあわよくば・・・などと妄想していたのだが・・・。そうかぁ、マードックさんとねぇ・・・。あぁ(ため息)・・・。それにしても、このレビューは「・・・」ばかりだ。未練の数だけ・・・、あぁ(ため息)・・・。マードックの野郎、藍子さんを泣かせやがったら承知しねえぞっ、この野郎! あぁ・・・とため息をつきながら、シリーズ第3弾『スタンド・バイ・ミー』を買いに行くか・・・。あぁ(ため息)・・・。
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