2012年09月04日(火) 

前編からのつづき

 

 

いわき健康センターにチェックイン

早速、楽器や荷物をバスからおろして、ステージの準備

午後1時のリハーサルまで、フリータイムとなりました。

 

各自、お風呂に入ったり、昼食をとったりして長旅の疲れを癒します。

ここ、いわき健康センターは、被災の一ヶ月半後に営業を再開。

当時は、多くのボランティアの方も宿泊されていたそうです。

http://www.naf.co.jp/iwakikenko/

 

 

午後2時より最初のコンサート

わざわざ、遠方より来てくださった方もおられて大感激です。

みなさん、リラックスされている中でも真剣に聴いて下さり

中には涙ぐむお客様もおられて、演奏しているこちらも胸が熱くなりました。

聴いて下さった方は、 「こうして心に寄り添ってくれる事が何より嬉しい」 と言って下さり

たくさんの、メッセージも書いてくださいました。

 

 

 

 

 

 

演奏終了後は、小名浜の海岸へ

案内してくださるのは、地元のNPO法人ザ ピープルの甘南備(カンナビ)さん。

甘南備さんは、今回のコンサートの橋渡しをしてくださった方でもあります。

 

町の中は、すっかり復興して、震災があったなんて全くわかりません。

しかし、市街地を離れると、今でも、津波の爪痕があちこちに見られました。

 

海岸線は、一面の野原です。

このあたりは、昔は美しい松林が続いていましたが、

国からの払い下げにより分譲地となり、住宅地と変わりました。

そして、その新しい住宅地の家は、全部津波に飲み込まれたそうです。

悲しいことに、残った家の土台を見なければ、そこに住宅地があったとは思えないほど

この景色もまわりの風景にすっかり溶け込んでいます。

少しずつ回復しているのでしょうが、現地を見る限り全くと言っていいほど復興は進んでいません。

 

 

 

手付かずに壊れたままの学校 

 

学校のわきに積まれた大量の瓦礫

 

 

 

悲しいほどに美しいいわきの海

これまで、いわきには地震はあっても津波はこないと、信じられてきたそうです。

だから、いわきにはスパー堤防と呼ばれるような高い堤防は一切ありません。

被害の大きかった豊間・薄磯の地区は何と300人以上もの方が犠牲になられ、

自衛隊の方によって、たくさんの遺体が並べられたそうです。

 

現在は、町ごとの移転も話されていますが、ここを離れたくないと、

家を新築したり、復旧したりして住まわれている方もおられました。

本当に美しい、いいところです。

ずっとここにいたいと思われる気持ちがわかります。

 

 

 

 

美空ひばりさんが歌われた「みだれ髪」にも出てくる塩屋岬

記念碑がありました。

今はすっかり綺麗になっていますが、震災当時はもちろん通行止めで近くにも来れなかったようです。

 

 

 

ひばりさんの記念碑から右手を見上げると灯台が見えます。

塩屋崎灯台

『喜びも悲しみも幾年月』 おいら岬の灯台守よ♪ の歌詞でお馴染みのあの灯台です。

 

震災によって灯りが点かなくなっていましたが、約9ヶ月後に再点火。

灯台は凶暴な津波を恨むことなく黙して荒海を照らす。

今も、静かに海を照らしているそうです。

 

 

 

 

時間が少なく、駆け足で回りましたが、荒れ果てた海岸線を見て、ただただ胸がつまる思いでした。

 

そして、復興を支援する気持ちだけは持ち続けようと思いました。

 

 

 

この後は、アクアマリンふくしまへ。

ふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま

「海を通して『人と地球の未来』を考える」環境水族館です。

津波では施設の1階と地下が浸水。

電気系統の施設が壊滅状態となったため、水槽に酸素を供給したり、ろ過循環や水温維持ができなくなり、

魚など多くの飼育生物が死んでしまったそうです。

津波は30トンもある水槽を押し流したといいますが

今はすっかり綺麗になり、復興のシンボルともなっているようです。

 

 

 

 

 

いわき健康センターに帰って、夕食、そして温泉

ここの温泉のおかげで疲れがいやされますぅ ^^

 

 

 

夜は大広間に布団を敷きつめて、まるで修学旅行のようにみんなで寝ました。

部屋いっぱいに敷いたので、もう誰がどこに寝ているかわかりません ^^;

疲れているので、皆んなすぐ深い眠りにつきました。

 

みんなが寝静まった夜中、あれは確か、午前4時頃だったでしょうか。

グラグラっと、もの音と共に建物が揺れました。

地震です!

みんなは、悲鳴とともに起き上がりましたが、幸い揺れはすぐにおさまりました。

携帯電話で確かめてみると、震源は福島県沖、いわき市は震度4の揺れ。

しばらく寝付けませんでしたが、疲れていたせいもあって、またいつの間にか眠っていました。

 

 

夜が明け、地震の話でもちきりなのは、わたしたちだけ?

こちらでは、まだまだ今でも余震が続いているのですね。

 

 

 

 さあ、目覚めの良いみなさんは朝から温泉に入っていましたよ。

低血圧で、朝が苦手な私と娘はパス ^^;;

ゆっくりと目を覚ましました。

 

 

朝食をすませ、出発前にみんなで記念撮影。

 

昨日、コンサートを聴いてくださった地元の方が、お見送りをしてくださいました。

 

こうして、思いを寄せてくれることが何より嬉しい。

今日、これから行く久ノ浜は、ここ小名浜よりもっともっと被害が大きかった町。

演奏でみなさんの心を和ませてあげて下さい。とお声がけ頂きました。

すばらしい出会いに、感謝です。

 

 

 

 

 

 

さあ、これからいよいよ久之浜第一小学校に向けて出発です。

 

 

 

後編へつづく

 


閲覧数1,543 カテゴリアルバム コメント2 投稿日時2012/09/04 02:07
公開範囲外部公開
コメント(2)
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  • 2012/09/04 20:07
    私たちには珍しい震度4クラスの地震も、珍しくない日々を送られている現地の方を思うと、
    申し訳ないような気持ちになります
    支援したいですね
    次項有
  • 2012/09/06 01:35
    > ももたろうさん
    そうですね。
    でも今は、日本中どこで何があるかわかりませんよね。
    備えだけはちゃんとしておかなければいけないと思いました。
    次項有
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