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通勤電車が毎日の貴重な読書時間である以上、本は片時も手放せない存在です。読み終えたのに次の本が手元にない……この絶望感! 考えたくもない。だからいつもカバンには三冊、本を入れています。小説とエッセイと極めてまれにビジネス書。ゆえにカバンはいつも重く、すぐに傷む。 でも、朝出かける前の数分間、本棚(と、すさまじい積読の山)を眺め渡して、今日は何の本を入れようか迷うひと時は自分だけの至福の時なのです。一度にそんなにたくさん読めるわけ |
井伏鱒二先生は、ぬるい風呂にはいられるそうだ。その湯を少しずつ熱くしてゆく。そうすると、さっぱりとして、宿酔がなおってしまうという。 ある人が、先生、それからあとどうなさるんですかとたずねた。 井伏先生は、妙なことをきくなという顔で答えられたそうだ。 「きまっているじゃないか。また |
いつであったか、地下鉄の中で向こう側に座る男を睨みながら、祖母が私の耳元で囁いた。 「おまい、まちがったってつっかけで地下鉄に乗ったりするんじゃあないよ」 以来私は、サンダルどころかスニーカーをはいて外出したこともない。個人的にはさしたる気構えも思想もあるわけではないから、江戸前の躾に呪縛されているのであろう。東京都は元来、それくらいよそいきの街であった。
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本日の一献は なにわ「純米吟醸生原酒しぼりたて」です。 カワハギと鱈の魚チリを食べながらいただきました。 フルーツのような甘い風味のある酒。 酸味も丸くやさしい味です。 たとえるならば芯のところにたっぷり蜜を含んだりんごでしょうか。
製造元 : 浪花酒造(有) 大阪府阪南市 日本酒度 : +4 酸度 : 1.6 アルコール度 : 17~18 酵母 : 明利酵母 原料米 : 山田錦
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「いやねえ」 玄次郎の腕から解き放たれると、お津世はのろのろと身体を起こし、髪に手をやりながら玄次郎を軽く睨んだ。 「朝っぱらから、さ」 だがその眼は潤み、唇は生き生きと血の色を浮かべ、頬は上気している。女などというものは、所詮けだものだな、と玄次郎は思う。唇を吸われながら、お津世は |
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