『きみが見つける物語 十代のための新名作 切ない話編』(角川文庫)を読みました。年末年始はなにかと用事が多くゆっくり読書する閑がない。そんなときには、こうした短編集が重宝する。
タイトルに「十代のための」とあるが五十代が読んでなにが悪いと開き直りつつ読了。私の好きな作家、山本幸久氏、荻原浩氏、小川洋子氏の短篇が掲載されているとなれば読まない訳にはいかない。「切ない話」かどうかは人それぞれ「切ない」の定義によるだろう。切なくはないかもしれないが、味わいが深い。中でも山本幸久氏の「閣下のお出まし」、小川洋子氏の「キリコさんの失敗」、志賀直哉氏の「小僧の神様」が素晴らしかった。
出版社によると「きみが見つける物語 十代のための新名作」というのは、次のようなコンセプトのシリーズである。 いま読みたい作品を厳選した短編小説アンソロジー。食べず嫌いさんにもぜひひとくち味わってほしい、質は保証付き、短くてもとびきり味わい深い極上のアソートボックス。
ちなみにこのシリーズは次の10編が刊行されている。 スクール編(2008年6月25日発売、ISBN 978-4-04-389401-7)
そして私はこのシリーズのほどんどを古本で手に入れた。持っていないのは『ティーンエイジ・レボリューション』だが、それはこの本だけが単行本サイズだからです。もっぱら持ち歩き読みの私には単行本は向かない。
この「切ない編」に収められているのは次の短篇。 (記載は タイトル・ 著者・ 収録元・ 出版社の順)
後で判ったことだが「春の嵐」(加納朋子)は短篇ではなく『てるてるあした』からの抜粋らしい。これは『てるてるあした』を買って読まなければと考えamazonを覗くと、『てるてるあした』は『ささらさや』の続編らしい。ということになると、まずは『ささらさや』を読んで、その後に『てるてるあした』を読むべきだろう。どちらも古書¥1(送料¥250)で売っていたので注文。あぁ、また積読本が増えてしまった。
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