「家出は若者の特権だねぇ。年取ってからやると失踪者になっちゃうからねぇ、今のうちにどんどんやりなさい」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ケンカは若者の特権だねぇ。年取ってからやると犯罪になるからねぇ」
(本書P96.P97から抜粋)
『東京バンドワゴン』(小路幸也・著/集英社文庫)を読みました。東京の古書店を舞台にしたドタバタほんわかファミリー。ハートウォーミング度120%の素敵な物語です。
まずは裏表紙の紹介文を引きます。
東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。60歳にして金髪、伝説のロッカー我南人。画家で未婚の母、藍子。年中違う女性が家に押しかける美男子、青。さらにご近所の日本大好きイギリス人、何かワケありの小学生までひと癖もふた癖もある面々が一つ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日本中が待っていた歴史的ホームドラマの決定版、ここに誕生。
これは家族の愛と笑いと涙のドラマです。家族とは、人生とはかくあるべしという物語。しかもその舞台が古本屋となれば本好きで情にもろい私にはたまらない。また一つお気に入りのシリーズが増えた。煩わしいことを捨て去り一人で自由に生きるのも悪くはない。でも、この本を読むと自分のことよりも周りを想う人生の方が遙かに価値があり、より深く幸せなのだと感じる。家族が皆、人の痛みってやつをわかるヤツばかりで、愛に溢れていれば、人生はこんなにも輝く。たとえそれが未婚の母になる人生であっても。愛こそすべて。
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