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2012年11月02日(金) 

『幻の声』(宇江佐真理・著/文春文庫)を読みました。

 

 

まずは出版社の紹介文を引きます。


本業の髪結いの傍ら、町方同心のお手先をつとめる伊三次。芸者のお文に心を残しながら、今日も江戸の町を東奔西走…。伊三次とお文のしっとりとした交情、市井の人々の哀歓、法では裁けぬ浮世のしがらみ。目が離せない珠玉の五編を収録。選考委員満場一致でオール読物新人賞を受賞した渾身のデビュー作。


 

 

 

 過去に『卵のふわふわ』、『泣きの銀次』、『雷桜』と宇江佐真理氏の小説を読んできたが、本書を含めこれまでハズレなし。これが宇江佐氏のデビュー作とは知りませんでしたが、なんとも味わい深い短編集です。すぅっと物語の世界に入り込め、そこに浸ることが心地よい。読み進めるうちに登場人物のひとり一人がいとおしく思え味わいが増す。日々の暮らしをひたむきに生き、それぞれ胸に悲しみをもつ市井の人々。彼らはまた優しさと矜持をも胸に秘めている。「幻の声」にはおそらく二つの意味がある。一つは第一編で駒吉が聴いたという声、そしてもう一つは第五編でお文が耳元で聞こえたような気がしたという声「いいのかい? お文・・・・」であろう。とすると、これは捕物帳のかたちをした恋物語なのですね。それも極上の。このシリーズ、追いかけることになりそうです。

 


閲覧数1,708 カテゴリ読んだ本 コメント2 投稿日時2012/11/02 23:58
公開範囲外部公開
コメント(2)
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  • 2012/11/03 02:33
    さん
    只今 木内 昇 「ある男」中

    歴史物は奥が深い.....
    次項有
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