ああ
確かに何やら昔の感情が甦るような作品ありますよね
『ひとなつの。 真夏に読みたい五つの物語』(角川文庫編集部・編)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。 7月のある日、「郵便」を発見したぼくの、胸がきゅんとするやりとり―(「郵便少年」森見登美彦)。映画の撮影用に借りた家に住むことになった映画監督の息子の夏(「フィルムの外」大島真寿美)。浪人2年目の夏、青春18きっぷを片手に出かけたあてのない逃避行―(「ささくれ紀行」藤谷治)。夏をテーマに大島真寿美、瀧羽麻子、藤谷治、森見登美彦、椰月美智子が競作。まぶしい日差しの中、きらきら光る刹那を切り取った物語。
『ひとなつの。 真夏に読みたい五つの物語』(角川文庫編集部・編) 森見登美彦、大島真寿美、椰月美智子、瀧羽麻子、藤谷治、五人の作家が描く夏の刹那。森見氏の『郵便少年』は「ほっと文庫」で既読であった。再読となったが、やはり良い。五人の中で抜きん出ている。文章も、物語の世界観も、読後感も最高だ。森見氏の前に他はかすんでしまった感があるものの、その中でも瀧羽麻子氏の『真夏の動物園』、藤谷治の『ささくれ紀行』はよかった。読んだ刹那、私にも経験のある若き頃のモヤモヤした夏の空気が蘇った気がした。
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