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2011年06月18日(土) 

「なあ」
「なんだよ」黒川はレンズをのぞいたままだ。
「なあに? 大滝ディレクター」醐宮が笑っている。唇のルージュが濃くていつにもまして艶かしい。
 大滝は言った。
「三人で幸せになろうな」
                                 (本書P252より)

 

『凸凹デイズ』(山本幸久/著・文春文庫)を読みました。今年二月に『ある日、アヒルバス』を読んで以来、二冊目の山本幸久氏である。

 


 『凸凹デイズ』『ある日、アヒルバス』ともに似かよった趣がある。一つは登場人物が身近でフツーにいそうな人なのにキャラが立っていて独特の個性を持っていること。しかもその個性は読者を惹きつける。もう一つは、物語のトーンが一貫してハートウォーミングなところ。生きていくのは決して楽ではないけれど、人生ってそう捨てたもんじゃないって思わせてくれる。
 読んでいて感じるのは山本氏の登場人物に注ぐまなざしはあくまで温かいってこと。恋愛の作中への挟み込み方も程よい塩梅にというか、けっしてやりすぎないところに山本氏のセンスを感じる。読んでいるあいだ始終にんまりと笑ってしまう幸せ系お仕事小説であります。

 

裏表紙の紹介文を引きます。


凪海(なみ)はたった3人のデザイン事務所「凹組(ぼこぐみ)」で働く新米デザイナー。スーパーのチラシやエロ雑誌のレイアウトをこなす毎日に事務所始まって以来のチャンスが舞い込んだ。老舗遊園地のリニューアルデザインのコンペ――ところが経営陣の思いつきで事態は意外な方向へ。書き下ろし短編「凸凹ホリデー」を収録。 解説・三浦しをん


 

 


閲覧数748 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2011/06/18 20:51
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