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2012年05月19日(土) 

古書集めのおもしろさは、切手なんかとちがって、その人によって価値が異なることころですかな。切手はだれが持っていても、決まった価値というのがあるが、古書は人によって、全然、価値がちがう。その本に興味のある人にとっては宝物だが、同じ古書集めをしている人でも、その分野に興味がなければ、それこそ、ただの古本だ。だから、値段というのも切手みたいに決められないところがあってね。

                                      (本書P10より)

 

『古書狩り』(横田順彌・著/ちくま文庫)を読みました。

 

 

 

裏表紙の紹介文を引きます。


 

古書街で見かけた美女と老人の謎の行動…、その秘密を解く鍵は古本のどこに隠されているのか?本の取り憑かれた者の執念を描いた表題作。狙った古書の獲得のためなら悪魔に魂まで売る男たち。恋愛よりもコレクションを選んだ男の恐るべき末路。鬼気迫るもの、爽やかな結末のもの、古書マニアの驚くべき姿を描いた最高に面白い連作小説集。


 

 

このところ『せどり男爵数奇譚』、『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ、『東京バンドワゴン』シリーズと読み込んできての本書である。古書を扱った小説はそれだけで本好きの心を躍らせる。本書は古書をめぐる九篇の短篇小説で構成されている。いずれも「書痴」という呼び方が相応しいほどの古書マニアが主人公である。ミステリ、SF、ブラック等、さまざまなテイストで面白く読ませてくれる。登場する書痴の生態にニヤッとしたり、ぞわっとしたり。中でも「本の虫」という話は忘れられそうにない。人から本の虫と呼ばれるほどの本好きを震え上がらせるこわーいストーリーです。読書メーターの読書家ランキングにランクインしたといって喜んでいる場合ではない。ある朝、目を覚ましたら紙魚(しみ)になっていたりして……。そんなカフカを髣髴とさせる不条理に搦め捕られたらなどと想像するだけでぞわっと……おーこわっ……
 

閲覧数813 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2012/05/19 18:11
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