おバアはん チエ・・・・・・
チエ ええんや
おバアはん テツみたいになってしもてもええんか
チエ もう今日からは
テツ チエ
おバアはん おまえはだまってえ! カーン (おバアはんの下駄がテツの頭に当たる音)
(本書・第3話「教育パパの巻」より)
『じゃりン子チエ 1』(はるき悦巳・著/双葉社・アクション・コミックス)を読みました。
先日、重松清氏の『とんび』を読んでいて、ふとテツのことが頭をよぎりもう一度読み返したくなったのです。ヤフオクで古本を安く落札。全67巻おとな買いです。
ヨシ江さんの事を好きすぎて身の置き所のないテツ。チエちゃんが好きで意地悪をいうマサル。テツに何度だまされても、今度こそはひょっとしたらと期待してしまうおジイはん。どうしようもない息子とあきらめながらも正面からテツに向き合うおバアはん。テツの屈折した心情を子供の頃から知っている花井先生。むちゃくちゃなテツを警察官になった今もつれだというミツル。いつもテツにひどい目に遭わされるのに、テツの側に寄ってくる元・遊興倶楽部の社長、カラメル兄弟。ヨシ江さんもチエちゃんもテツの屈折した心理の理解者だ。この世界は温かい。
巻末の小池一夫さんが「なまけ者の才能 ”はるき悦巳のこと”」と題した一文もよい。
はるき悦巳はなまけ者である。なまけてごろごろしてるから猫を描くのがうまいし、世の中の哀しみがよく見える。・・・・・・
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