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2013年07月06日(土) 

秋に蒔かれて芽吹いた麦は、冬の間、こうして雪の下で春を待つのです。陽射しの恩恵をじかに受けるわけでもなく、誰に顧みられることもない。雪の重みに耐えて極寒を生き抜き、やがて必ず春を迎えるのです。その姿に私は幾度、励まされたか知れない。

                                   (本書P290より)

 

 

『残月 みをつくし料理帖』(高田郁・著/ハルキ文庫)を読みました。シリーズ第8弾。一年以上、首を長くして待っていました。

 

まずは出版社の紹介文を引きます。


吉原の大火、「つる家」の助っ人料理人・又次の死。辛く悲しかった時は過ぎ、澪と「つる家」の面々は新たな日々を迎えていた。そんなある日、吉原の大火の折、又次に命を助けられた摂津屋が「つる家」を訪れた。あさひ太夫と澪の関係、そして又次が今際の際に遺した言葉の真意を知りたいという。澪の幼馴染み、あさひ太夫こと野江のその後とは―――(第一話「残月」)。その他、若旦那・佐平衛との再会は叶うのか? 料理屋「登龍楼」に呼び出された澪の新たなる試練とは・・・・・。雲外蒼天を胸に、料理に生きる澪と「つる家」の新たなる決意。希望溢れるシリーズ第八弾。


 

 

「ただ寒中の麦を思へ」 冬の寒さ、雪の冷たさ、重さを受けとめたとき、そこに春を予感する。必ず来る春を信じて生き抜くということか。この言葉の持つ意味を思うとき、著者・高田郁氏の次巻に向けた腹づもりを感じる。冬来たりなば春遠からじ。次巻が上梓されるのは半年後か一年後か。高田さん、長すぎた冬にならぬようお願いします。(特別収録「秋麗の客」はさわやかな短編でした。発刊を首を長くして待っていた読者への高田さんからのプレゼントですね。ありがとうございます)

 

 


閲覧数758 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2013/07/06 10:12
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