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2013年09月08日(日) 

子供は残酷だ、時には大人以上に。幼い私は、醜さをどれほどからかわれ嘲笑われたことか___。いや正確に言うと、彼らは笑わなかった。醜い顔を気味悪がり、嫌悪したのだ。

                                 (本書P37-38より)

 

 

『モンスター』(百田尚樹・著/幻冬舎文庫)を読みました。

 

まずは裏表紙にある出版社の紹介文を引きます。


田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった―。

 


 

我々は皆、美醜のヒエラルキーの中に身を置いている。これはおそらく事実だ。そしてそれは女性においてより顕著であろう。米原万里さんのエッセイに『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』というのがあったが、恋愛において男は性格や能力、知力でなく見た目で評価する傾向にある。残酷なことではあるがしじゅうそんな場面に出くわすのだ。美しい者が上層、醜い者は下層。そして美醜のヒエラルキーにおいては下層に属する者はけっして上層に這い上がることはない。唯一の道は美容整形しかないのか。救いのない話ではあるけれど、これも遺伝子のふるまいとなれば甘受するしかない。所詮、人は遺伝子の呪縛から逃れることはできないとみえる。

 


閲覧数616 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2013/09/08 09:35
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