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2013年10月07日(月) 

 あの子の大切な母親を俺たちは奪ったのだ。あの子はもう二度と愛する母親と会うことも話すこともできない。あんな小さな子どもが泣くまいと必死で耐えている姿を見て、それでもこの金を受け取ることができたとすればそれはもう人間じゃないと赤松は思った。

                                (本書下巻P11より)

 

『空飛ぶタイヤ 上・下』(池井戸潤・著/講談社文庫)を読みました。

 

まずは出版社の紹介文を引きます。


走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。


 

 

 池井戸氏の描く悪役は本当にイヤな奴ですね。悪役の描き方が上手い、上手すぎます。傲慢で冷酷、利に聡く、自分に利益がある内は媚びてもみせるが、自分に不利に働くと見た瞬間手のひらを返す。信義や惻隠の情などかけらもない。これが桃太郎侍なら「テメエら人間じゃねえ、叩き切ってやる!!」とバッサリ切って捨てるところだ。権力も資力もなく、ただただ真っ当に生きてきた弱者が巨悪に立ち向かい、困難を克服し、やがて悪をやり込めてしまう結末に素直に良かったと思う。予定調和的結末ではあるがやはりイイ。今夜はすっきり眠れそうだ。

 


閲覧数676 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2013/10/07 00:25
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