わたしは手すりに手をかけて、秋の空に少しだけ身を乗り出すと、秋の風を胸いっぱいに吸い込んだ。 こんな天気のいい日に、家の中でじっとしてるなんてもったいない。 わたしはお気に入りのリュックに借りていた本を詰め込むと、部屋を飛び出した。 (本書P15より)
『晴れた日は図書館へ行こう - ここから始まる物語』(緑川聖司・著/ポプラ文庫)を読みました。
出版社の紹介文を引きます。
館内にこっそり置かれ続けるドッグフードの缶詰に、クリスマスツリーから消えた雪、空飛ぶ絵本に、半世紀前に読んだきり題名の分からない本を見つけてほしいという依頼…図書館が大好きな少女・しおりが、司書をしているいとこの美弥子さんたちと一緒に、本にまつわる謎を追う―。大好評のほのぼの図書館ミステリー第二弾!書き下ろし短編も収録。
良く晴れた秋の休日。「こんな天気のいい日に、家の中でじっとしているなんてもったいない」と図書館に出かける主人公の少女。いいですね。すばらしいですね。本好きにとって一つの理想がここにある。悪人が登場せず、人の死なない日常のミステリ。今、真夜中の十二時だが、早くも図書館に行きたくなってきた。禁断症状である。明日は土曜日。図書館に行こう。
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