『銀翼のイカロス』(池井戸潤:著/ダイヤモンド社)を読了。 まずは出版者の紹介文を引きます。 半沢直樹シリーズ第4弾、今度の相手は巨大権力! 新たな敵にも倍返し! ! 頭取命令で経営再建中の帝国航空を任された半沢は、 500 億円もの債権放棄を求める再生タスクフォースと激突する。 政治家との対立、立ちはだかる宿敵、行内の派閥争い ――プライドを賭け戦う半沢に勝ち目はあるのか? 巻末の「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などと一切関係ありません」の言葉におもわず失笑してしまう。この物語のモデルは明らかに存在する。再生を進める航空会社、再生タスクフォースなる機関を作りその作業にあたらせる政権交代したばかりの政党、国土交通大臣こそ現実とは違い女性となっているが、これもたいした見識も無いのにええかっこしいの舌鋒スルドイ某議員を思わせる。どうやら池井戸氏はよほど某政党の所行に業を煮やしていらっしゃったに違いない。物語の終盤に富岡が中野渡頭取に謂う言葉が印象的だった。「法律以前に守るべき人の道ってのがあるはずでしょう。まっとうな商売してなんぼですよ」 企業人として肝に銘ずべき言葉だろう。 |