「武者の生業は戦うこと。武士の生業は、戦いを収めることだ」 (本書306Pより)
『武士道セブンティーン』(誉田哲也/著・文春文庫)を読みました。昨年4月29日に『武士道シックスティーン』を読んでから11ヵ月経ってやっと続編を読むことが出来た。 http://hyocom.jp/blog/blog.php?key=129454 もちろん単行本はとっくに出版されている。それどころか単行本ならば『武士道エイティーン』が既に2009年7月に出版になっているのだ。しかし私は文庫本派なのだ。単行本は1550円もするのだ。高いのだ。かさばるのだ。ジーンズのポケットに入らないのだ。文庫本が出るまでじっと我慢の子なのだ。
裏表紙の紹介文を引きます。 「強さは力」の香織と「お気楽不動心」の早苗。対照的な相手から多くを吸収したふたりだったが、早苗は、家の事情で福岡の剣道強豪校に転入。そこでの指導方法の違いに戸惑う。一方、香織は後輩の育成に精を出す。互いを思いつつも、すれ違うふたりは、目指す剣道に辿り着けるか。大人気剣道青春小説、二本目。
これは面白い。『武士道シックスティーン』も面白かったが、『武士道セブンスティーン』は更に面白さが増している。香織と早苗、それぞれのキャラクターが作者の中にも読者の中にも明確な像を結んでいるからであろう、主人公の気持ちが読み手の心に自然と沁みてくる。特に試合の場面になると読み手はいつの間にか香織に、あるいは早苗になって相手と対戦している自分を発見するであろう。 |