「失礼ながらお嬢様―――この程度の深層がお判りにならないとは、お嬢様はアホでいらっしゃいますか」
(本書P33より)
『謎解きはディナーのあとで』(東川篤哉・著/小学館文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。 令嬢刑事×毒舌執事コンビの傑作ミステリ 国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。
東川篤哉氏の小説を読むのはこれが初めてです。 肩の力の抜けた本格ミステリですね。ウィットに富んだ会話、ユーモア溢れる語り口、中村佑介氏のカバー・イラスト。しかも主人公は大富豪のお嬢様とその執事。この執事がカッコイイ若い男で切れ者の安楽椅子探偵ときた。これだけそろえば売れるはずです。売れないはずがない。この小説の最大の魅力は何と言っても本格推理。そして、それにもまして読者を惹きつけるのは主人公のお嬢様のキャラだろう。超弩級の大金持ちであることを鼻に掛けず、かといって逆に大金持ちであることにいささかも悪びれることがない正真正銘のお嬢様だ。続編も読みたい。シリーズ第2弾も早く文庫化していただきたい。 それにしても中村佑介氏のイラストはイイですね。美しい本として所有するために単行本を買いたいくらいです。『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦・著)の表紙イラストもすばらしかったですね。この本は私の宝物になっています。
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