俺はふと思い立って質問した。ずっと佐久間に答えを教えてもらおうと思いながら、今まで忘れていた問いだ。
「ニーチェと平家物語の間には親和性があるのか?」
「ないよ」佐久間は即答した。「ニーチェはそれでも生きろと言うけど、平家はそれなら死になさいと言う」にっこりと優しい笑みが浮かんでいる。「ただ、気持ちが落ち込んでいるときに読むなら平家にしたほうがいいね。生きろと言われると、むしろ死にたくなってくるから」
(本書P60「偏差値70の野球部」より)
『STORY BOX Jan.2010 vol.06 野球』を読みました。
今回も「小太郎の左腕」が無い。あまりに飛んでいるので変だなと思い、買い置きしているvol.07 ~ vol.15を調べてみたが無い。不思議に思ってvol.03を確認してみると、連載は第三回で終了。後に書き下ろし分を加え単行本を発行するとのこと。えぇぇっ!ショック!! 確かに単行本は2009/10/28に発刊されているが、文庫本は未だである。私は文庫派なのだ。文庫本発刊を待つのだ。早く文庫化して欲しいのだ。小学館さん、ヨロシク!!
「偏差値70の野球部」(松尾清貴)
遂に野球部員と初遭遇。流石は偏差値70の学校だ。先輩らしきその男の発した質問は「ニーチェと平家物語には強い親和性がある、と思うか?」であった。
やはり、甲子園などめざさず、赤門をめざした方がよい。
「北上次郎の本の話」(第五回「候補」について)
野球に絡む小説で北上氏の推奨本は『バッテリー』(あさのあつこ/著)、『監督』(海老沢泰久/著)、『ナイン 9つの奇跡』(川上健一/著)の三冊。
「異境」(堂場瞬一)
新連載スタート。
本社社会部勤務だったが、上司に反抗し横浜支局に飛ばされた記者の物語。
「候補(リスト)」(五條瑛)
第二回。
「リストが流れて、ジゼルが動いた」
「息子」(松久淳)
第四回。
おいおい。檀一雄氏の『火宅の人』が引用されたよ。
「返信」(野島伸司)
第六回。
担任・藤原孜の彼女が自殺したとされる過去の事件の真相は?
「金脈」(嶽本野ばら)
第六回。
GRATEFUL DEAD 好きのジジイはなかなか哲学者だ。
「救出」(笹本稜平)
第六回。
有村老人が生きている可能性が濃くなってきた。このマンションに監禁されているのか?
「狗賓童子の島」(飯嶋和一)
第六回。
前回より連載を細切れに読むのは無理と判断し飛ばす。