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2011年11月29日(火) 

銀山街道の掃除をお手伝いしたことから始まった、御調町の方々とのお付き合い。

 

尾道は北の山々の中にある御調町。

森、田園、色づく柿、その彩りが強く印象に残っています。

あの景色の背景にあるもの、その中での人々の暮らしのことをもっと知りたい。

 

そこで様々な分野で活躍されている方を講師にお迎えして、

御調のことを教えていただく研修を企画しました。

 

去る26日と27日、ギュッと内容の詰まった2日間。

その経験を少しずつご紹介していきます。

 

 

お掃除をさせてもらった銀山街道での自然観察会を開いてくださったのが、東常哲也さん。

 

 

環境カウンセラーであり、とりわけ山の生き物の研究を専門にされている方です。

今回はバードウォッチングを中心に観察会を行う予定でしたが…

 

「今年は鳥がいないんです。こんなに少なかった年はない。」

 

その原因は正確にはわからないそうですが、

例年なら中国大陸から渡ってくる鳥が、

今年の日本には自分たちに適した食料がないと察知して

別の場所に渡ってしまったのではないか、と東常さんは考えています。

 

渡り鳥は、先頭の方にいる種の行先にみんながついていってしまうので、

一部の種の行先が変わったことでたくさんの鳥たちが

いつもと違う場所を選んでしまうことがありえるんだそうです。

 

 

鳥の食料が少ないということは、山の生き物全体に元気がないのでしょうか?

 

「木の実は多いですよ。今年は表年。」

 

果実にはよく育つ表年と、元気がない裏年があります。

今年は表も表、大当たりの年なんだそうです。

たくさんの木の実が色づいていました。

 

 

幼少のころから山の中にばかりいたという東常さん。

いまの御調の山は、その目にどう映っているのでしょうか。

 

「生物多様性、と最近よく言いますけど、種類は昔より増えてるんです。」

 

いなくなった生き物もいれば、昔はいなかった生き物が住みはじめてもいる。

全体として種の数は増えているんだそうです。

しかし、多様であることとバランスがとれていることはイコールではありません。

 

「猪が町に出るようになったでしょう。

 山の中の生き物が変わって、猪のエサがなくなったから食料を求めて下りてくるんです。」

 

 

最近猪が畑を荒らす、という話をよく聞きます。

かつては分かれながらバランスを保っていた、山での猪の暮らしと、町での人間の暮らし。

人間が急速に変えてしまった自然環境は、そのバランスを損なってしまいました。

 

鳥が来る年や来ない年、果実の表年や裏年、

そんなある種の不安定さを含めて成り立っている自然のバランス。

だけど人間は、いつも一定で変わることのない毎日を求めるようになり、

自分たちを含めた自然界のバランスを壊そうとしてしまっています。

調和を取り戻すために、これから僕たち一人一人はどんなふうに歩いていけばいいのでしょうか。

 

一人考えこんでいた僕ですが、東常さんの顔に暗い色はありませんでした。

 

 

山が好き、生き物が好き。

誰もが少しでもその気持ちを持っていられたら、

きっとすべてが調和するような歩き方が自然と見つかる。

子どものように笑う東常さんの顔を見て、そんなことを思ったのでした。

 

御調の山の彩りは、変わらずまぶしいままです。


閲覧数1,257 カテゴリ日記 コメント4 投稿日時2011/11/29 22:38
公開範囲外部公開
コメント(4)
時系列表示返信表示日付順
  • 2011/11/29 23:04
    yoshieさん
    「山が好き、生き物が好き。
    誰もが少しでもその気持ちを持っていられたら、
    きっとすべてが調和するような~」

    これですょね!これ~
    すごくいいょね~

    山に海もプラスさせてもらえると最高~!
    次項有
  • 2011/11/30 19:56
    鉛筆もぎーさん
    > yoshieさん
    うん、シンプルなことのはずなんですよね。山が好き海が好き、生き物が好き、人間が好き、それなら自ずと。議論の余地もなく、本当は。
    次項有
  • 2011/11/30 20:08
    yoshieさん
    いいよ、いいよ。
    ちょっとずつでも広がってゆけば。
    楽しいとか、気持ちいいとか、嬉しいとか、好きとか、そんな気持ちを優先して生きていこう~
    次項有
  • 2011/11/30 22:04
    鉛筆もぎーさん
    > yoshieさん
    そうですね、それを大事にしていられれば。まず自分がそれを忘れなければ。
    次項有
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