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2012年04月14日(土) 

「警察小説としても家庭小説としても人情小説としても抜群の出来ばえ。ここ何年間、私が読んだ中で、優にベストと呼んでもいい作品で、あらためて短編小説のすばらしさを教えられた気がした」 (山田正紀)

 

「真相に至るキーワードを堂々と題名に掲げながら、なお読み手を欺く腕前に感服した。私自身、眉に唾して読んだのだが、まんまといっぱい食わされた。きれいな投げ技である」 (有栖川有栖)

 

(二〇〇八年・第61回日本推理作家協会賞短篇部門選考委員の評より一部を抜粋)

 

『傍聞き(かたえぎき)』(長岡弘樹・著/双葉文庫)を読みました。二〇〇八年・第61回日本推理作家協会賞短篇部門受賞作です。好みの問題で評価は分かれるだろうが、素晴らしい作品です。それは冒頭に引用した評を読んでいただいても明白でしょう。

 

裏表紙の紹介文を引きます。


患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編。表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞。

 


 

 

  長岡弘樹氏は「STORY BOX」連載の『初任』を読んで注目していた作家です。収められた四篇のうち、表題作『傍聞き』はもちろん素晴らしかったのですが、私のお気に入りは『迷い箱』です。どちらのお話も謎解きの楽しみと驚きだけでなく、その謎に人情がにじみ出ています。単なる謎解きゲームではなく、謎解きの先に人間が見えてくるといえばいいのでしょうか。ミステリー小説はこうでなくてはいけません。ブラボー!! ヒューヒュー!

 


閲覧数817 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2012/04/14 16:11
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