『エマ 8』(森薫・著/エンターブレイン)を読みました。 前巻7で本編は終了。本編の周辺をスピンアウトさせた小編です。それだけに森氏のこだわりと想いが伝わってくる逸品ぞろいです。
(装画は若き日のケリーとダグ)
<夢の水晶宮> エマの最初の雇い主のケリー、彼女は本編でエマを拾い教育してくれた恩人として描かれていた。そのケリーのメモワール的な若き新婚時代の物語をスピンアウトして描いてくれています。ケリーの夫ダグの人と素直に接する快活な性格とケリーの生真面目で感情表現の不器用な性格の対比が微笑ましい。お互いが相手を補完し合っているカップルは素敵です。 <ブライトンの海> 本編で不憫だったエレノアへの作者・森氏の贖罪的物語。この物語で私の屈託はきれいさっぱり無くなりました。よかった。ほんとうによかった。
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