『世界を、こんなふうに見てごらん』(日高敏隆・著/集英社文庫)を読みました。
神であれ、科学であれ、ひとつのことにしがみついて精神の基盤とすることは、これまで人類が抱えてきた弱さ、幼さであり、これからはそういう人間精神の基盤をも相対化しないといけないのではないか。・・・(中略)・・・どんなものの見方も相対化して考えてごらんなさい。科学もそのうちのひとつの見方として」という著者の言葉には全く同感である。その上で私は「人間は論理が通れば正しいと考えるほどバカである」という著者の指摘にハッとさせられた。以前に読みかけたが難しくてお手上げだったアーサー・ケストラーの『機械の中の幽霊』をやっぱり読むべきだな。ゴーストに会うために。 最後に出版社の紹介文を引いておきます。 子供の頃、芋虫と話がしたかった著者。おまえどこにいくの、と話しかけた。芋虫は答えず、葉っぱを食べはじめる。言葉の代わりに見ていて気がつくことで、気持ちがわかると思った。昆虫、猫や犬など動物とおしゃべりするには、観察が一番だとわかった。これが、いきものを見つめる原点。不思議と驚きにみちた世界を「なぜ?」と問い続けた動物行動学者がやさしい言葉で綴る自然の魅力発見エッセイ。
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