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2013年08月22日(木) 

<純喫茶 タレーラン コチラ→>

 

 大胆なその店名に、コーヒー愛好者の血がサイフォンの中身よろしく沸騰したのだ。

 かつてフランスの伯爵は言った――良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。

 彼の名を、シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ベリゴールという。フランス革命期、主として外交に辣腕を振るい、かのナポレオン皇帝も一目置いたとされる偉大な政治家である。食通としても有名だった彼の残した言葉は、理想のコーヒーを語る上で欠かせない至言として、後世に語り継がれることとなった。

                                     (本書P16より)

 

 

『珈琲店タレーランの事件簿  また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』(岡崎琢磨・著/宝島社文庫)を読みました。

 

まずは出版社の紹介文を引きます。


京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり―。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。


 

 

日常のミステリにして京都もの、しかも物語全体に淡い恋心が漂っていれば、これはもう売れるわなー。珈琲店でおこるちょっとした出来事の裏にあるナゾを解き明かしていく日常のミステリとしての楽しみもさることながら、主人公たる男女お互いの心が一番のミステリとなっています。面白かったです。オススメです。

 

 


閲覧数575 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2013/08/22 23:40
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