『新参者』(東野圭吾・著/講談社文庫)を読みました。
加賀恭一郎シリーズを第1の事件から順番に少しずつ読んでいます。巻を追うごとに面白さが増している様がはっきりと見て取れます。謎解きの切れははじめから素晴らしいのですが、物語としての面白さ、深み、恭一郎の魅力がぐんぐん増して来ています。前作『赤い指』あたりから、人の情、人としての生き方も作品の重要な要素として織り込まれています。今巻『新参者』でもほろりとさせられる場面がいくつかあり、これはやはり恭一郎が人として成長し深みを増した証なのだと思われます。次巻『麒麟の翼』の早期文庫化を熱烈希望。講談社さん、よろしく。
第1の事件 『卒業』 恭一郎大学4年生 2013/4/23読了 第2の事件 『眠りの森』 警視庁捜査一課 2013/6/22読了 第3の事件 『どちらかが彼女を殺した』 練馬署 2013/6/24読了 第4の事件 『悪意』 警視庁捜査一課 2013/7/2読了 第5の事件 『私が彼を殺した』 練馬署 2013/8/3読了 第6の事件 『嘘をもうひとつだけ』 練馬署 2007/8/4読了 2013/8/23再読 第7の事件 『赤い指』 練馬署 2013/8/10読了 第8の事件 『新参者』 日本橋署 2013/08/24読了 第9の事件 『麒麟の翼』 日本橋署
最後に裏表紙の紹介文を引きます。 日本橋の片隅で一人の女性が絞殺された。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。手掛かりをくれるのは江戸情緒残る街に暮らす普通の人びと。「事件で傷ついた人がいるなら、救い出すのも私の仕事です」。大切な人を守るために生まれた謎が、犯人へと繋がっていく。
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