『たんぽぽ娘 ”The Dandelion Girl”』(Robert F.Young:著/復刻ドットコム)を読了。 まずは出版社の紹介文を引きます。 『たんぽぽ娘』を単独で、ファンタジックな画風が特徴的な牧野鈴子のイラストにて単行本化! 翻訳は『2001年宇宙の旅』でもおなじみ、海外SF翻訳のオーソリティ=伊藤典夫の新訳版。 夫婦で夏休みを過ごすはずが、妻が仕事で一人旅となったマークは、旅先の避暑地にある丘の上で、「タイムマシンで未来から来た」という、たんぽぽ色の髪が印象的な若い娘と出会う。 一時的に心が揺れ動いた--- それだけだ。すこしのあいだ感情の平衡が崩れ、よろめいだだけのことなのだ。 自身にそう言い聞かせながらも、彼女との毎日の出会いが大きな楽しみとなったマーク。しかし、ある日を境に、彼女は姿を見せなくなった…。 甘いねぇ。 何度読んでも甘い。 しかしそれは決してイヤな甘みではなく、飽きのこない甘みだ。 「おとといは兎を見たわ。きのうは鹿。今日はあなた」 このセリフを忘れることはないだろう。 そして丘の上に立つジュリーのイメージは私の胸の中でモネの「日傘の女」に重なる。大好きな絵です。 さらにエドナ・セント・ヴィンセント・ミレーの詩「昼下がりの丘にて」、私はこの詩をこの本で初めて知った。 クロード・モネ 「日傘の女」 1886年 Afternoon on a HillI will be the gladdest thing Edna St. Vincent Millay
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