『ひょうたん』(宇江佐真理・著/光文社文庫)を読みました。 まずは出版社の紹介文を引きます。 本所五間堀にある古道具屋・鳳来堂。借金をこさえ店を潰しそうになった音松と、将来を誓った手代に捨てられたお鈴の二人が、縁あって所帯をもち、立て直した古道具屋だった。ある日、橋から身を投げようとした男を音松が拾ってきた。親方に楯突いて、男は店を飛び出してきたようなのだが……(表題作)。江戸に息づく人情を巧みな筆致で描く、時代連作集! 人は思い定めればいつでも真人間になれる。まして良い出会いがあればなおさらだ。自分だけならついつい楽に流れそうになるが、真心のあるつれあいを持てばそうもいかない。年の暮れに好い話を読みました。真心を持って真っ当に暮らしていれば幸せに巡り会える。全ての短編がそう思える逸話でした。そろそろ落語『芝浜』を聴く頃合いです。「来年も邪なことは考えず真っ当に生きる」と思い定めるとしましょうか。 それはそうと、宇江佐さんの体調が気になります。その後、お加減はいかがですか?
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