『神様がくれた弱さとほほえみ』(西村隆/著・フォレストブックス)を読みました。今月の読書会「四金会」の課題書である。
37歳という人生の最盛期に不治の病ALSに罹ってしまわれた西村隆氏の20編の手記です。 どうも落ち着かない。困ったことです。この本はフィクションではない。物語として加工もされていない生の手記である。 何故、落ち着かないのか。なんだかどういう態度を取って良いのか解らないのだ。こうした手記を読んで、あるいは不治の病に罹った人や重度の障害を持つ人を目の前にしたときに、真っ先に感じるのは同情の念である。おそらくはその方たちは同情の目差しでみられることを快く思っていらっしゃらない。私が逆の立場ならそうだ。そう解っていながら、同情の念を禁じ得ないのだ。もちろん深い考えがあってのことではない。単に多くの人が当たり前に出来ていることが出来ないのはさぞかし辛いだろう、気の毒だという思いがあるだけだ。その方々が、その病気ゆえ、障害ゆえに健常者(適切な表現がみつからないのでこう表現しますが)が到達し得ない高みに達していらっしゃるか、あるいは人生の楽しみや意義を見いだしていらっしゃるかといったことなどに全く思いが至らない浅はかな考えというほかない。
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