思うところあって、以前読んだ
小澤征爾さんの本を読み返してみた。
誰もが知っている あの天才指揮者。
彼が、はじめてヨーロッパ 世界へと 旅立っていく時の話。
それは、1959年 今から何と52年前の事。
今では イチローや 松井 中田といった アスリート達が当たり前のように 世界で 活躍しているが この本を読んで 目からうろこだった。
お金も 行く宛てもなく あるのは志だけ。という中で 彼はあらゆる手を尽くし まず 富士重工よりスクーターの提供をうける。ヨーロッパでの交通手段にするというのだ。このときの条件が実に面白く
一.日本国籍を明示する事。
一.音楽家である事を示す事。
一.事故をおこさない事。
以上の条件をかなえる為に 白いヘルメットにギターを担いで日の丸を付けたスクーターにまたがって、貨物船にのせてもらって旅立つのだ。
ヨーロッパまで2ヶ月かけての船出。
この2ヶ月の間に語学の猛勉強。
実に気の長い話のように思えるが この先 この船出が大きく実を結ぶのだ。
小澤さんにも こんな時代があったのだと思うと 改めて尊敬するやらうれしいやら また うらやましいやら。
チャンスにも恵まれ とんとん拍子に 大指揮者になっていくが、その影には 想像も出来ないくらいの努力があったのは当然である。でも そうなったときも 彼は 何時までもやさしさを失わず いままで恩を受けてきたすべての人に 感謝し続けている。当たり前のことのようだけどそれが 出来ない人が多い今日。
つい最近 私も 悲しい思いをしたばかりだ。
今ある自分は 自分だけで 築いてきたものではないはず。
小澤さんの 姿勢に 改めて 考えさせられた。
感謝の気持ちを忘れず、おごらずに。でも 常に 好奇心をもって チャンスを逃さず意欲的に。
人生は一度きりだから。 今日という日は 今しかないから・・・。