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2011年10月28日(金) 

「救命」

 

なんだか重い響きです。

いのちを、すくう?

日常と関係のないことのような気がします。

 

だけどたとえば、交通事故は毎日数えきれないぐらい起きています。

まして僕たちが目指すサイクリングガイドにとっては、

あってほしくないけれど身近でいつだって起きうること。

いざ現場に居合わせたら戸惑ってはいられない!

 

今日のS.C.G(※)研修は、救命講習。

尾道海技学院のよし~さんを講師にお迎えして救命の術を学びます。

 

(※S.C.G=【S】しまなみ海道【C】サイクリング【G】ガイド)

 

やや緊張した空気の中、口を開くよし~さん。

 

 

 

なんてことだ、いきなり口からウズラの卵を!

どよめく一同!

 

というわけではありません。

人工呼吸をするときに感染予防のために付ける器具、

「キューマスク」を装着してみせてくれたところです。

 

 

今度こそ話し始めるよし~さん。

 

「みなさん、二輪車は必ずコケます。」

 

た、たしかに!

横からちょんと押されただけでコケてしまいます。

転倒する乗り物なんだと思った方がいいんですね。

あらためて言われるとハッとします。

 

その二輪車に、人は日常的に乗っています。

自転車で通学する中学・高校生はとても多いでしょう。

現在、高校の教育課程に救命講習を必ず組みいれることになっているそうです。

広島県では公立中学校でも必須なのだとか。

サイクリングガイドは人を自転車で案内する立場、

まさに必須の講習だといえます。

 

 

基本的な心得をうかがってから、さっそく実技に突入。

心肺蘇生法の基本を学びます。

 

心肺蘇生法とは意識を失った人に対して

人工呼吸と心臓マッサージを行う救命法。

多くの方が一度はならったことがあると思います。

 

今日の相手はもちろん生身の人でなく人形ですが・・・

 

 

 

 

「緊張するなあ…人形なのにな…」

 

と腕組みでつぶやくぽんたさん。

人形相手で緊張するんだから、実際の現場ではいかほどか。

しっかり基本を叩きこんでおかねば!

 

丁寧に指導してくださるよし~さん。

 

 

カメラ目線も忘れません。

 

意識の確認、気道の確保、呼吸の確認…

呼吸をしていなければ人工呼吸、まず2回。

その後胸骨の圧迫を30回、人工呼吸を2回、と繰り返す…

 

単純といえば単純な行為。

でも昔はとても厳密に教えていたんだそうです。

 

たとえば息の吹き込み方。

「フー」じゃなく「ハー」で、相手の胸が膨らめばOK、

というのが今日教わったことですが、

昔は「600cc~800ccの呼気を吹き込む」など定量化し、

数値を計りながら教えていたんだとか。

 

そんなふうに難しく教わってしまうと、いざやらなければというときに

「どうやるんだっけ?できないかも…自分はパス!」

となってしまいそうですよね。

そうならないようになるべく簡潔に、しかし効果は落ちないように、

教え方を改良していっているんだそうです。

 

実践のとき迷いなくできるようにと、みな真剣そのもの。

仏の顔のこうじさんもシビアな表情に。

 

 

ベテランサイクリストのウエケンさんも、基本を一から。

 

 

さらにAEDの使い方も勉強します。

AEDとは「自動対外式除細動機」。

心臓を正常な動きに戻すために電気ショックを与える機器。

 

 

これが救命に導入される以前は、

心停止した人の「社会復帰率」、

回復して元の仕事にも復帰できる割合は、3%でした。

それが導入後は、10%を超えているそうです。

 

生存を大きく左右する機器・・・

確実な操作をしなければ・・・

 

 

一通り実技に取り組んだあと、

ペーパーテストでもう一度手順の確認をして講習は終了。

集中しっぱなしでヘトヘト・・・

 

 

向島洋らんセンター特製アイスぜんざいを頼んだのは、

なべこさんでもふなあゆさんでもなく僕です。

疲れると食べちゃうよねえ、甘いもの。

ひんやりしたぜんざいの上にアイスが乗っかったこの品、

意外にもさっぱりして甘さひかえめ、抜群のおやつでした!

 

 

さて講習のあとに現れたじねんさん。

いつものように意味深な板書を始めました。

 

 楽 美 愛 真

 

らく、び、あい、しん。

これからの時代を表すと言われている言葉だそうです。

ではこの前の時代はなんだったんだろう?

さらに板書するじねんさん。

 

 軽 薄 短 小

 

あ、なるほど。じゃあさらにその前は・・・

 

 重 厚 長 大

 

次々と大きなモノを生産する、物質文明をたたえた言葉です。

これのアンチテーゼとして唱えられたのが軽薄短小。

重厚長大じゃ先がない、モノはコンパクトしていきましょうと。

でもそれって裏返してみただけで、

物質的な豊かさを問題にしてることには変わりありませんよね。

そこから自由になってどこに向かうかというと、楽美愛真であると。

 

定量化できない、だから軽んじられてきた。

だけど間違いなく、誰しもにとって大事なこと。

そんなことの象徴であるのだと思います。

 

でも、待てよ、じゃあ重厚長大よりも前は、人々は何を大事にしてたんだろう?

じねんさんが書いた答えはこれでした。

 

 五 穀 豊 穣

 

そうか・・・

食べ物を育て、実りを祈る。

とても単純なこと。

だけどそこには、生きることのすべてがあるのだと思います。

 

モノをたくさん作り出すことに必死になって、

最初からすべてが大地の上にあったことを忘れかけている僕たち。

そこにかつて人々が見ていたもの、それがきっと楽美愛真なんですね。

 

 

じゃあ、楽美愛真の時代に、観光はどこへ向かえばいいんだろう?

そんな宿題を出してじねんさんは去っていきました。

時間のかかる、宿題になりそうです。

 

だけどとりあえず、今日のよし~さんの授業には、

「自分の知を人に授けたい」っていう「愛」があったな、

とぼんやり考えた帰り道なのでした。

授かったのは、救命法以上に愛だった、のかもね。


閲覧数7,206 カテゴリ日記 コメント2 投稿日時2011/10/28 21:50
公開範囲外部公開
コメント(2)
時系列表示返信表示日付順
  • 2011/10/29 03:41
    やっぱ愛だろ、愛
    次項有
  • 2011/10/30 20:34
    鉛筆もぎーさん
    > ぱおりおさん
    カクテルバー!
    次項有
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