あいつは何でも楽しめるからな よつばは 無敵だ (本書P222より)
『よつばと! ①』(あずまきよひこ・著/メディアワークス)を読みました。
コミックです。まず、ことわっておきますが私はロリコンではない。大人の女性が好きである。それもお色気ムンムンならばそれに越したことはない。本来ならば、かようなコミックは本の表紙を見ただけで敬遠するところだ。しかし、私の敬愛する登美彦氏が愛読していらっしゃるらしいことをブログで知ったからには読んでみぬわけにはいかぬ。登美彦氏は崩された体調が癒されつつあり、ブログを再開された。おそらくはよつばの効用少なからずとみた。僥倖といわねばなるまい。
http://d.hatena.ne.jp/Tomio/20111126
ここで『よつばと!』の何が登美彦氏の心を虜にしているのかを少々考察してみたい。冒頭に引用した言葉を読み返して欲しい。よつばのとーちゃん(実の父ではないようだ)の言葉である。よつばは何でも楽しめる、故に無敵。この無敵の存在、それこそが登美彦氏が求めてやまない存在なのではないか、と私は推察するのです。そして、自分も斯くありたいと思いつつ、それが不可能なのだという絶望もまた同時に感じていらっしゃるのではないかと。 よつばは五歳の女の子、自由奔放で何にでも興味を持つ元気な子です。 この作品のキャッチコピーが「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」であるように、よつばにとって日常の中で見るもの感じるもの全てが新鮮で感動に溢れている。要するに無垢なのだ。天真爛漫といっても良い。私はよつばの持つこの資質が登美彦氏の心をとらえて放さないのではないかとみているのです。登美彦氏の代表作『夜は短し歩けよ乙女』に出てくる黒髪の乙女もまた天真爛漫、純粋無垢な女性として描かれている。おそらく、この無垢な心こそ登美彦氏がもっとも大切にしたいと思っている美質なのだろう。 http://hyocom.jp/blog/blog.php?key=113654
登美彦氏はいまや売れっ子作家である。そして売れっ子作家の常として締め切りに追われていらっしゃるようだ。お疲れにならないはずはない。氏がよつばに癒され、今後も素晴らしい小説を上梓されんことを心から願うものです。
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