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2012年09月06日(木) 

 過去からの時間と未来からの時間が、すれちがう刹那の愛。それが私たちだった。

 出会いも、愛の形もそれぞれに奇妙なしかし真実の愛。だからこぞ、私たちは、必死で、おたがいのすべてを知りたがった。「私、年をとったら、どんなおばあちゃんになるのかしら」

 無邪気に時尼は私に尋ねた。「可愛いおばあちゃんだった」そう私は答えた。

                                               (P218より抜粋)

 

 『美亜へ贈る真珠―梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇 』(梶尾真治:著/ハヤカワ文庫JA)を読みました。

 

 まずは出版社の紹介文を引きます。


違う時間を生きる恋人たちの心情を痛切に描いて、発表と同時にスタンダードになったと絶讃されたデビュー作「美亜へ贈る真珠」をはじめ、亡くなった男を想いつづける女心の深淵にふれる「梨湖という虚像」、夫婦のすれちがいが驚くべきできごとに発展する「玲子の箱宇宙」、時間を超越して男女が運命的なめぐりあいを果たす「時尼に関する覚え書」と、女性名をタイトルに織りこんだ、泣ける抒情ロマンスSF7篇を収録。


 

 

 水樹和佳子さんのカバーイラストに若干引きながら読みました。初・梶尾真治です。デビュー作「美亜へ贈る真珠」が読めて幸せです。なんとも素敵な物語だから。

 7つの短編すべてに喪失感がただよっています。切なくも美しいロマンス。SFはこれほどまでにロマンティックになれるのか。”愛”と”時間”の織りなすピュアな恋愛。”時”の制約があるからこそ、逢瀬は狂おしいまでに儚く美しい刹那となりうるのだ。

 「時尼(ジニィ)に関する覚え書」がお気に入り。『ジェニーの肖像』(ロバート・ネイサン著)に対するオマージュとして書かれたのですね。恩田陸さんの『ライオン・ハート』とともに私の記憶に深く刻みました。

 ロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』を読みたいと念願しつつも未だ読めず。しかし『ライオンハート』、『ジェニーの肖像』、『時の娘』、そして本書とロマンティックSFを追求中。『たんぽぽ娘』にはいったいいつになったら巡り逢えるのだろう・・・・・

 

 


閲覧数700 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2012/09/06 07:07
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