ハキム : 何のつもりだ? ウィリアム : 何のって・・・・・・、何が? ハキム : とぼけるな ウィリアム : ・・・・・・ ・・・つまりさ クラス(階級)は絶対なんだろ ハキム : エマの事か ウィリアム : ・・・・・・ ハキム : そのエマももういない ウィリアム : ・・・ そうだけどさ そうだけど 悔しいじゃないか ハキム : 悔しいか ウィリアム : 悔しいよ ここで人生に絶望して フテ寝して ショーペンハウエルを愛読するのは簡単だけど それじゃ芸がない ハキム : 同感だ ウィリアム : ・・・ クラス(階級)がそれほど大事だというなら 一生そのジェントリ(上流階級)として生きてやる あるべき姿 とるべき態度 誰もが認めるジェントリ(上流階級)の体現者になったら 死ぬときに 全部捨てて死んでやる ハキム : 暗いな
(本書P69~P71より抜粋)
『エマ 3』(森薫・著/エンターブレイン)を読みました。
いよいよ産業革命のうねりは英国を変えつつある。 エマは倫敦を去り、とある屋敷でメイドの職を得た。その屋敷の主人はドイツ人。エマの「ドイツだとクラス(階級)の差があまりないのでしょうか・・・」という言葉が切ない。引きずってますねぇ。そりゃそうでしょう。 さて、何となく次巻で再び倫敦と、そしてウィリアムとの繋がりがほのめかされているではないか。二人は運命の赤い糸で結ばれているのか? お金持ちのボンボンはいけ好かないが、“フテ寝してショーペンハウエルを読まない”ウィリアムなら応援してやってもいいぞ。(笑)
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