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2013年01月18日(金) 

 彼は泣き出しそうな顔で、それでも笑った。

「まるで呪いだな・・・・・・」

「呪い?」

「彼女のライオンのことを思うと、ぼくはこの先、怪我をすることも薬物に手を出すことも、辞めることもできないじゃないか」

 そのことばにぼくも笑う。

「そうさ。呪いだよ」

 それでも、走ることが苦しい日には、その呪いこそがぼくの自転車を後ろから押してくれるのだ。

                     (本書P306~P307)

 

 

 

『エデン』(近藤史恵・著/新潮文庫)を読みました。

 

まずは出版社の紹介文を引きます。


 

あれから三年──。白石誓は唯一の日本人選手として世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。しかし、スポンサー獲得をめぐる駆け引きで監督と対立。競合チームの若きエースにまつわる黒い噂には動揺を隠せない。そして、友情が新たな惨劇を招く……。目指すゴールは「楽園」なのか? 前作『サクリファイス』を上回る興奮と感動、熱い想いが疾走する3000kmの人間ドラマ!


 

 前作『サクリファイス』の続編。やっと文庫化されました。今年の元日発行です。

 

 「サクリファイス」の意味、それはツールにおいてそれはチームのエースを勝たせるために自己を犠牲にすること。しかしそれは与え続ける者と奪い続ける者といった一方的な関係ではない。なぜならエースはチームメイトの犠牲に見合うだけの結果を残す責任を負うからだ。チームの思いを一身に受け止め、チームの栄光を勝ち取る責任を引き受けるのだ。ある選手はそれを”呪い”と表現した。日本人としてツール・ド・フランスの舞台に立つチカにも”呪い”はかかっている。それも超弩級の”呪い”が・・・・・。チカがその”呪い”にどう応えるか、続きが読みたい。すでに『サクリファイス』、『エデン』で登場した人物のサイドストーリーとして『サヴァイヴ』が単行本で発売されているようだ。早期文庫化を切に望む。

 


閲覧数914 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2013/01/18 08:07
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