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2014年08月09日(土) 

『あすなろ三三七拍子 (上・下)』(重松清・著/講談社文庫)を読みました。

 

 

 世の中、理屈がすべてではない。正しいが正しくないこともある。男同士にしか判らないドメスティックな価値観だろうと、日本人にしか判らない島国根性だろうと、それを軽々にアナクロニズムと切り捨てられる筋合いはない。閉じた世界で昇華した精神世界を理解せず頭から否定するような態度こそが浅薄で偏狭な考えとして軽侮されるべきものだろう。一見バカで前近代的に見える応援団の中に深遠なるもの見た。今必要なのは、自由、博愛、人権などと一見誰から視ても正義と見える西欧流独善ではなく、様々な価値観をすべて包み込み併存させる度量なのだと気づく。

 学生の頃、武道系の部に身を置いていた私にとって、重松氏の描く応援団の世界は気分としてよくわかる。もちろんズバリ同質ではないのだが。理由も目的もなくとにかくやる。ひたすら頑張る。それが当たり前に出来るようになったとき、いや、当たり前も何も余計なことを考えることがなくなったときに到達している境地があるのだ。武道系の部の合宿は外から見ればしごきだ。理屈ではそうだ。おそらく周りからは冷ややかな目で見られることだろう。しかし一度とことんまでそれをやってみるがいい。説明しようのないこころよさがそこにあるはずだ。理に背いても情に適う世界とでも云おうか。

 

 

 

 


閲覧数604 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2014/08/09 08:33
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