昨夜、久しぶりに茜からメールが届いた。 年が明けてから何度かメールのやりとりはしていたが、会って話をする機会はなかった。練習がきつくなって時間的な余裕がなかったからだ。・・・・・・いや、本当は違う。時間は作れなくはない。茜と会うことにためらいがあった。どうしても多惠が気にかかる。多惠に隠れて茜に会うのが、なぜかうしろめたいのだ。 (本書P146より抜粋)
『セカンドウィンド(Ⅲ)』(川西蘭・著/小学館)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。 洋が、岳が、青春の疾走が止まらない!待望の第3巻! 早くも青春スポーツ小説の金字塔の呼び声高い名作シリーズ第3巻、堂々の登場。
昨日今日と台風接近で大荒れの天気。そんなことだから今日は当然のこととしても、このところロードバイクに乗れていない。すっきりしないフラストレーションを如何せんと本書を手に取った。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと読んできて、主人公・溝口洋の成長ぶりをしみじみと感じる。まるで自分の息子の成長ぶりを見るようだ。ロードレースものとして、青春小説として極上の小説だ。身体は風雨に閉じ込められながらも、心は小説世界に飛び込んでヒートアップした。フォルツァ! 自分の身体を極限まで痛めつけて登り走り続ける感覚に、熱くなった心とは裏腹に鳥肌が立った。洋、そして岳よ、次はヨーロッパでの走りを見せてくれ。フォルツァ!!
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