帰ったらポストに入ってました(笑)
どうして、うちがインターネットしてると分かったんでしょう
すでにたくさんの方々が、平成27年の国勢調査はネットで回答されたとのことで、我が家にも資料が届くのを楽しみに待っていました。昨日、仕事あがりで帰宅するときに、ちょうどご近所の奥さんが一軒一軒説明しながら配布されていたので、ありがたく受け取って自宅で早速開封しました。 総務省統計局の封筒は、紙で回答していた以前とは比べものにならないほど薄く、これだけで相当の省力化です。中身は対象者のIDと初期パスワードが記載されたA4の「インターネット回答の利用者情報」の用紙と、A3折り込みの「インターネット回答の操作ガイド」です。 内容は、WEBから利用者情報を入力して、12のフォームに従って回答し、送信したあと初期パスワードを変更すれば終了するというシンプルなもの。実際に入力してみると、画面もみやすくてとても簡単。晩酌前わずか10分強で家族5人の国勢調査の回答が完了しました。 ただし、国政調査なので、その回答内容は、個人情報でも基本4情報と呼ばれる「氏名」「住所」「性別」「生年月日」があり、また生存する個人を特定することができる家庭生活(婚姻・親族関係など)、社会生活(職業・勤務先・業務内容など)のデータがぎっしり詰まっています。 いわば「個人情報の固まり」のようなこのデータを、ネットを使って収集するだけでなく、期限がある(10月1日まで)とはいえ、外部からアクセス可能なデータベースにIDとパスワードだけで管理するというのは、セキュリティ面で本当に大丈夫なのか大変不安に感じました。 社保庁の事件によらず、世の中では個人情報の漏洩に関するトラブルが多発しており、「絶対に破れないセキュリティ」は存在しないながらも、(システムだけでなく人的にも)限りなく破られにくい仕組みの運用が求められるのではないでしょうか。すくなくとも、一度提出したデータは、即座にネットから切り離されたサーバに格納し、その後はネット経由での修正や取り消しができないようにすべきでしょう。 インターネットは大変便利なツールであり、いまではなくてはならない社会基盤となっています。また、国勢調査などに活用することで、さまざまなメリットが生まれます。しかし、その「光」と「影」をきちんと理解し、慢心することなく社会や個人を守りながら運用するという倫理は、揺るがしてはいけません。 関西学院大学総合政策学部非常勤講師 和崎 宏 |