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顔を上げて後ろを振り返った。仏壇がある。扉は閉まったまま。和箪笥の上には隆一の写真が飾ってある。それへ流し目で視線を送った。顔を背けるために見たようなものだ。 (本書201Pより)
『男坂』(志水辰夫・著/文春文庫)を読みました。 久しぶりのシミタツです。
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(人は山中に野糞で分け入る時、およを目的の地併肩(へいけん)すべきものなり。野糞の前に野糞あり。野糞のあとにも野糞あり。――太田和彦 一九四六~ デザイナー) 太田の格言も完成されつつあった。 (本書P117より)
『あやしい探検隊 焚火酔虎伝』 … [続きを読む] |
最初にお断りしておかなければならないのだが、この本は「「進化の歴史」や「科学と宗教をめぐる問題」を扱うものではない。ましてやファンダメンタリストを批判する本でもない。私が関心をもっているのは、たとえば次のようなことである。 人間は時々頭に血が昇ってしまい、普段なら明らかに変だと思うようなことでも正しいと信じてしまうことがある。特に周囲が「そうだ、そうだ」と言っているとますますその気になってくる。やがてそう信じる集団とそうは信じない集団(だからと言ってこちらが正しいとも限らない)との間に対立 |
十年後に会おう、という約束を陳腐だと笑うだろうか。 笑わなくてもそいつはドラマだねぇ、と少しからかいたくなるかもしれない。今どきそんなセリフを言う奴はいないだろうし、いたとしてもちょっと付き合いたくはないかもしれない。 でも、その約束をしたのは十年前なんだ。十年前の、高校の卒業式の日だ。 (本書P24より)
『HEARTBEAT』(小路幸也/著・青心社)を読みました。 … [続きを読む] |
『ピーナツバター作戦』(ロバート・F・ヤング:著/青心社)を読みました。
甘っちょろいといえば甘っちょろい。しかし、その甘さは決して安っぽいメロドラマではない。ロバート・F・ヤングの描く世界にはもっとピュアで気高いものがある。少年のころから思春期にかけて胸に抱いていたロマンチックな想い、そんな追憶が切なさとともによみがえってくる。そんな短編集です。いつま … [続きを読む] |
・・・・・・高いね ジュニア君どおだい あの 空の高さはあれは もお 尋常じゃないよね あれは空が 本当に 高くなったんだろうかそれとも 冬を越す準備を終えた 僕達の心のゆとりが そお 感じさすのだろうかねえ ジュニア君 教えてよ
(本書P150「お好み焼き屋の憂ウツの巻」より)
『じゃりン子チエ 12』(はるき悦巳・著/双葉社・アクションコミックス)を読みました。
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(本書「改版序」より抜粋) この間に著者は実に思いがけないほど方々からこの書に対する要求に接した。写したいからしばらく借してくれという交渉も一二にとどまらなかった。近く出征する身で生還は保し難い、ついては一期の思い出に奈良を訪れるからぜひあの書を手に入れたい、という申し入れもかなりの数に達した。この書をはずかしく感じている著者はまったく途方に暮れざるを得なかった。かほどまでにこの書が愛されるということは著者として全くありがたいが、しかし一体それは何ゆえであろうか。著者がこの書を書いて以来、日本美術史の研究はずっと進んでい … [続きを読む] |
『探偵ザンティピーの仏心』(小路幸也・著/幻冬舎文庫)を読みました。 探偵ザンティピー・シリーズの第二弾です。
まずは出版社の紹介文を引きます。
NYに住むザンティピーは数カ国語を操る名探偵。ある日、ボストンにあるスパの社長・エドから依頼が入る。娘のパットが、北海道の定山渓で日本の温泉経営を学ぶ間、ボディガードを頼みたいという。ザンティピーは |
<まだ十四やないか> 岩介は正確に少年の年齢を読んだ。 <たった十四でそないに不倖せなんか> どんなに貧しい家の子でも、或いは肉親を持たぬ浮浪児でも、これほどの不倖せの中にはいまい。岩介はそう感じた。天皇の御子として生まれて来なければ、遙かに安楽で自由な青春がこの少年を持っていた筈で |
番匠たちはいろいろだ。経験だけの差ではない。熟練工でも手の遅い者、早い者がいるし、人によって得意な仕事、不得手な仕事がある。熱心にやっている者がいれば、上の空で鋸を握っている者もいる。無口な男、冗談ばかり口にしている男、理詰めの男、直感の男、何も考えていない者、やる気はあっても鈍い者、怠けたがっている者、疲れている者、ごまかそうとしている者。いろんな男たちが集まって天主を建てているのだ。 その当たり前のことに、持俊はあらためて気がつい |
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