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2013年06月08日(土) 

顔を上げて後ろを振り返った。仏壇がある。扉は閉まったまま。和箪笥の上には隆一の写真が飾ってある。それへ流し目で視線を送った。顔を背けるために見たようなものだ。

                            (本書201Pより)

 

『男坂』(志水辰夫・著/文春文庫)を読みました。

久しぶりのシミタツです。

 

 

出版社の紹介文を引きます。


刑務所帰りの旧友と再会し、執拗につきまとわれる滋郎。愛する家族を守るため、言うなりに金を払うのだが―(「再会」)。故郷を捨てた建設作業員、経営する会社を乗っ取られ、田舎に戻って老母を介護する男など、人生の黄昏の坂をゆっくりと下っている男たちの日常を描いて圧倒的な余韻を残す、珠玉の作品集。


 

 

あぁ・・・なんてカッコイイんだ。収録された七つの短編、すべてが終わりの一文にしびれる。この余韻。これぞシミタツと思わせる。余計な説明をしない削ぎ落とされた文章。しかし志水氏が読者に伝えたいものは確実に伝わってくる。この文章は計算し尽くされ考え抜かれた職人技と云えるだろう。登場人物の魅力も独特である。人生の下り坂を迎えた男。決してヒーローではない。強くもない。それでもカッコイイのだ。彼らに共通するもの。それは寡黙であること。損得で動かないこと。己の中に規範を持っていること。たとえ、それが生き方として下手であっても。

 

 


閲覧数695 カテゴリ読んだ本 コメント0 投稿日時2013/06/08 10:01
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